人と音色MAGAZINE
【インタビュー】ツナガリ講師 舘林明子先生 │ 成長を引き出す音楽の力

【インタビュー】ツナガリ講師 舘林明子先生 │ 成長を引き出す音楽の力

ツナガリMusic Lab. の先生をインタビュー。今回は、ツナガリMusicLab.で主にピアノを教えてくださっている舘林明子(たてばやしめいこ)先生です!ヤマハでのピアノ講師を経て、2018年からツナガリに参加してくれました!現在は、特別支援教育・療育指導の専門性を磨くため、児童発達支援の現場にも参加しているめいこ先生にお話をお伺いいたします!

舘林明子(たてばやし めいこ)
3歳からピアノ・作曲を学び、神戸女学院大学ピアノ科へ進学。2011年から大手音楽教室でピアノ講師として活動し、未就学児から大人の方まで50名ほどの生徒さんのレッスンを担当(ヤマハの演奏グレード4級、指導グレード4級)。2018年10月よりツナガリMusic Lab.に参加。 特別支援教育・療育指導の専門性を磨くために、児童発達支援でも並行して勤務中。教室が「好きな場所、安心できる場所」になり、レッスンが「自信が育っていく時間」になるように、生徒一人ひとりと丁寧に関わることを大切にしています。3児の母。

音楽を始めたきっかけ

紗貴子:

めいこ先生、今日はよろしくお願いします!

めいこ:

は〜い!なんだかドキドキします!

紗貴子:

では、まず先生が音楽を始められたきっかけを教えてください!

めいこ:

わたしは母が音楽講師をしていたこともあって、小さな頃から自然と音楽が身近にありました。ピアノを習い始めたのは3歳頃で、自分で曲を作って歌ったりすることが好きでした。

紗貴子:

どんな曲を作っていたか覚えてますか?

めいこ:

覚えてます!特に気に入っていたのは、「おはなのうた」でしたね(笑)こんな感じだったかな〜。(♪〜その場で歌ってくださる〜♪)

紗貴子:

かわいいですね!昔から音楽好きな少女だったのですね!

めいこ:

そうですね。でも高校生頃までは純粋に好きなものというよりは、音楽は特技で、当たり前にやるものという感じだったと思います。高校生の時に声楽を習ったり、大学時代に1曲を深く弾き込んでいくうちに、「音楽を表現すること」の本当の面白さを感じて心から好きだと思うようになりました。

紗貴子:

すごくよく分かります。私も高校あたりから、作曲家の意図やその国の文化を学んだとき、1曲と長く向き合って出したかった音色が出せるような瞬間に出会ったとき、、演奏がすごく楽しくなったことを思い出しました!

めいこ先生は大学時代は、特にどんな音楽が好きでしたか?

めいこ:

特に好きだったのはショパンやリストのピアノ曲です!
大学時代は、アメリカで音楽療法のワークショップに参加して、自閉症のお子さんのセッションを見たことも印象に残っています。それまでに見たことのない自由なピアノの使い方で、お子さんの演奏を引き出している様子がとても新鮮でした。

アメリカでの生活で感じたこと

紗貴子:

大学卒業後はどんなお仕事をされていたのですか?

めいこ:

一般企業の事務のお仕事をしながら、カフェやロビー等での演奏活動もしていました。その後、主人の仕事の都合でアメリカで暮らし始めて、アメリカで第一子を出産しました。

紗貴子:

アメリカでの生活で印象に残っていることはありますか?

めいこ:

様々なところで文化の違いを感じていたのですが、今思えば、障害のある方に対する『国の温かさ』みたいなものを感じることがあったな、と思います。

紗貴子:

それは、どんな場面ですか?

めいこ:

環境設定が日本とは全然違うのですよね。車椅子の方が通りやすい道幅になっている等の環境面もそうですし、人の関わり方も。障害のある方に対して街の人たちが積極的に声を掛けますし、障害のある方が支援を受けることに対しても申し訳ないという感じではなく、当たり前という感覚があったように思います。当時から子ども向けのアニメの中でも車椅子を使っている子が普通に出てきていたりして、日本よりも進んでいるなと感じましたし、これから日本も変わっていくといいなと思っていました。

大手のピアノ教室での経験

紗貴子:

帰国後は大手のピアノ教室で指導をされていたのですよね?

めいこ:

そうですね。当時は子どもを中心に、ピアノのテキストに沿ってスキルを磨いていくレッスンを行っていました。コンクールに出るお子さんの指導を担当したり、学校の合唱コンクールの伴奏指導をしたりすることもありました。

紗貴子:

当時は発達障害のある子どもたちとかかわる機会はありましたか?

めいこ:

他の講師の先生が産休に入るときに、発達障害の傾向のあるお子さんを引き継いだことがありました。癇癪や離席があったのですが、当時は発達障害のある子どもたちの対応について、教室の誰もアイデアをもっていないような状況で、結局その子は2ヶ月ほどで退会してしまったんですよね。環境設定や教材の工夫など、、今だったら工夫できることが沢山あったように思います。

紗貴子:

なるほど。その時の経験も、ツナガリの子どもたちや親御様の力になりたいという想いに繋がっているのですね。

ツナガリMusic Lab.との出会い

紗貴子:

めいこ先生がツナガリMusic Lab.の一員になってくださったのは、もう3年前のことですね〜。あっという間です。改めて、ツナガリで働こうと思ったきっかけを教えてください!

めいこ:

主人の転勤に伴い前の教室の生徒さんとお別れし、また音楽や子供たちに関わる仕事がしたいと思っていました。今までのピアノを教えるという仕事から、『音楽を使って人の役に立てる仕事をしたい』と思っていた時、ツナガリの求人を見つけて興味がわきました。

それから実際にツナガリで障害理解やABAの研修を受け始めて、実際に子どもたちとかかわっていく中で、もっと障害のことを理解したい、子どもたちと深く関わっていきたいと強く思うようになりました。

紗貴子:

実際に働き始めてどうでしたか?

めいこ:

責任もあるし、簡単な仕事ではないですが、とても楽しいです。音楽の力を使って子どもたちの成長を引き出せることが面白くて、奥が深いな、もっと知りたいなと思っています。

あとは、やっぱり子どもたちが可愛いです!以前にレッスンでやったことを覚えていてリクエストしてくれたり、レッスン以外の一週間のできごとを一生懸命伝えてくれようとしたりすることもあって、レッスンだけでなく、学校やお家での様子なども含めて深くかかわらせていただいていることも嬉しいです。

紗貴子:

毎回ドレスでおめかしして来てくれている生徒さんもいて、本当に可愛いですよね〜♪
「音楽の力を使って成長を引き出す」ことで、印象に残っている生徒さんはいますか?

めいこ:

そうですね。例えば、今年の春、新学期が始まってちょっと疲れが出ていて、レッスンを始める時に寝転んでなかなかレッスンに気持ちが向かなかった生徒さんがいました。そんな時に私がその子の気持ちを想像して、心情に沿った曲をピアノで即興で弾いてみたんです。そしたら、ちょっとその生徒さんが安心したような表情になって。曲が終わったタイミングで自らスッと椅子に座ってレッスンがスタートできたことがありました。

このお子さんにとっては「座ってね」と声を掛けることよりも、心情に合わせたピアノを弾くことで、先生が安心できる存在であることが伝わったり、気持ちを切り替えるきっかけを掴めたように思います。その後からは、自分から疲れている時には「寝る曲弾いて〜」と気持ちを伝えてくれたり、「高い音で弾いて〜」と伝えてくれたり、そんな風に音楽を通して気持ちが伝えられる場面が増えてきました。

紗貴子:

うんうん。音楽だから言葉以上に、相手の気持ちが分かったり、伝えられたりすることもありますよね。

他の音楽教室との違い

紗貴子:

今まで大手の音楽教室で働いていためいこ先生から見て、ツナガリMusic Lab.と他の教室との違いってどんなことを感じられていますか?

めいこ:

一番の違いは、本人が好きなこと、やってみたいと思えることを講師が見つけて提示していくことだと思います。一般の教室はスキル面で上手にさせる、弾けるようにさせるということが目的になることが多いと思いますが、ツナガリは「安心できる場所、楽しい場所」であることが前提で、生徒主体で本人がやりたい、頑張りたいという気持ちを引き出せるように、子どもたちと一緒にプログラムを考えて決めていくことが魅力だなと思います。

また、子どもたちが楽しいと思える音楽を使いながら、動作の模倣や言葉の概念など、療育面での成長をサポートできることも魅力だと思います。

紗貴子:

改めて、ツナガリで大切にしていることが共有できていること嬉しいです!
療育の現場でも働いてるめいこ先生と一緒に、療育を目的とした教材開発もどんどん進めていきたいところです。めいこ先生がレッスンをする上で大切にしていることは何ですか?

めいこ:

いつも気をつけていることは、子どもたちにとっての「分かりやすさ」ですね。指示をできるだけ簡潔にシンプルに伝えられるように気をつけています。
また、最初の頃は生徒が課題を達成できるとついつい「もう少し!」と欲張ってしまうことがありましたが、子どもたちに無理をさせすぎずに、スモールステップで進めています。子どもたちが「できた」と達成感を感じられるように「レッスンは、できて終わりにする」ということも大切にしています。

これからチャレンジしてみたいこと

紗貴子:

これからツナガリでやってみたいことはありますか?

めいこ:

発表会やイベント等での生徒さん同士、お母さん同士が交流できるような場を作っていけるといいなと思います。レッスン前後にお母さん同士もすれ違いますが、なかなか声をかけれなかったり、話をすることができずにいる状況があります。悩みや心配事をアットホームにリラックスしてお話できる場所、ママ仲間ができる場所を作っていきたいなと思います。

あとは、中高生の生徒さんたちと接していると、教室の皆で安心して働けるような場を作れないかな?!なんて思うこともあります(笑)

紗貴子:

わあ!夢が膨らみますね!お母さんたち、子どもたちの声に耳を傾けながら、場所づくりをしていきたいですね。最後に親御様にメッセージをお願いします!

めいこ:

音楽を使ってできること、音楽を使わないことでも、お力になれることがありましたら嬉しいです。これからも一緒に子どもたちの成長を見守っていきたいです。

まとめ

めいこ先生のインタビューでは、改めて「音楽の力」というものを考えさせられました。
音楽だからこそ、子どもたちがやりたい、頑張りたいと思う気持ちを自然と引き出すことができる。一緒に楽しみながら笑顔や成長を引き出すことができる。言葉以上に、子どもたちの心にそっと寄り添うことができる。
めいこ先生の、子どもたちの気持ちにそっと寄り添うピアノから、これからも子どもたちや親御様にとって安心できる空間と、心から楽しめる音楽の時間を作っていっていただきたいなと思います♪

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