ストーリー

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言葉の代わりに、
音楽があった。

教育実習での違和感

私が障害児教育に関わったきっかけは、学生の頃の介護等体験で出会ったある男の子と出会いにあります。肢体不自由であり言葉が話せず、大きな声でフラストレーションを伝えていた男の子。私はその子のことが気になり、話しかけようと近づいた時「この子は手が出ますから、近づかないでください!」と職員の方から強く注意をうけました。学校の中で本人の目の前で「近づかないように」と言われる子どもがいることに私はショックを受けたのでした。

次の日、私は時間をいただき、そのクラスで歌のミニコンサートを開きました。子どもたちの前で私が歌い始めた時、その男の子に変化が見られたのです。彼の表情は穏やかになり、いつしかとびきりの笑顔に。手をふって、一緒に音楽を楽しんでいる実感がありました。そして、歌い終わった時、歩けない彼は腹ばいで私の近くに来て、優しい笑顔で私にトントンと触れたのです。言葉は話せなくても、「歌が好き」「もっと歌って」というメッセージが十分に伝わってきました。

彼の笑顔やコミュニケーションは言葉ではなく音楽によって引き出されました。この時、前日の違和感がストンと、心の中で落ち着きました。それぞれの子どもにあったコミュニケーションや表現の方法が見つかれば、気持ちは伝わり、この子のよさや感情はもっと引き出せるはず。一人一人と丁寧に向き合い、成長を引き出していくこと。その喜びや感動を子どもたちや親御さんと一緒に共有していくことをやっていきたいと思いました。それが障害児教育に関わることになったきっかけです。

特別支援学校で出会った男の子

そんな思いで、大学卒業後は特別支援学校の音楽教諭として勤務。高等部の担任を務めるほか、音楽の授業、就労に向けた実習、ICTを取り入れた授業法の研究を担当しました。
勤務をしていて気になったのは高校1年生に上がってきた子どもたちが、自分に自信を持てず、新しい活動に取り組むことや失敗すること、注意されることを極端に恐れていたことでした。「やったことないこと」を必要以上に避けたり、上手くいかないと大きく気持ちが崩れてしまう光景が見られました。

ある男の子は中学3年生まで普通学級に通っていました。彼は高校受験に失敗したことを機にはじめて発達障害があると診断を受けた子でした。「自分はみんなとはちがう。本当はこんな学校にくるはずじゃなかった」と彼は次第に学校にも来ることが難しくなりました。このまま卒業を迎えてよいのだろうか、このまま社会に出てうまくやっていけるんだろうか、、当時の私はそう感じて、彼がどうしたら自信を胸に卒業できるかを考えました。

そのとき彼と私をつないだのが「音楽」でした。授業に出られない彼を誘って「昼休みに一緒にドラム時間」を作りました。ドラムなら楽しいし、演奏できたら自慢できる彼の武器になると思ったのです。ねらい通り、彼はドラムを叩くことを楽しみに学校に主体的に来られるようになりました。その時間に他の生徒を呼んで「一緒にピアノひいてもいい?」「あの子は歌が上手なの誘ってもいい?」そんな風に人との接点を作っていくことができたのです。

最後は学園祭にも出演することができお母さんが泣いて喜んでくださいました。「音楽が子どもの心を育てる」瞬間を目の当たりにした私は、彼のような子に「幼い頃から自信や意欲が育つ場所」を届けたいと思いました。それが音楽教室「ツナガリMusic Lab.」を立ち上げることにしたきっかけです。

代表プロフィール

人と音色 代表 武藤紗貴子

武藤紗貴子

  • 趣味:バンド(キーボード担当)、マラソン
  • 好きな言葉:「夢はでっかく、根は深く」(あいだみつを)
  • プチ自慢:NHK紅白歌合戦にバックコーラスで出演したことがあります(^^)
  • 将来の夢:生徒たちとプロのミュージシャンが共演する音楽フェスを開催すること

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