人と音色MAGAZINE
正解のない問いからはじめる作曲ワークショップ「Soundscape Mixtape」|PLAY CUBE サマースクール

正解のない問いからはじめる作曲ワークショップ「Soundscape Mixtape」|PLAY CUBE サマースクール

「これ、どうやったらいいの?」「こうしなきゃいけないの?」

ワークショップのはじまり、そんな質問をしてくれた子がいました。学校でも習いごとでも、たいていのことには“正しいやり方”があります。だからこそ、子どもたちはまず正解を探そうとします。

でも、この日の問いには正解がありません。

「あなたが“いいな”と思う音は、どんな音?」

2025年8月1日、ボーネルンドが運営する次世代型探究施設「BørneLund PLAY CUBE」(グラングリーン大阪)のサマースクール「プロとの出会いプログラム」で、人と音色(ツナガリMusic Lab.)は作曲ワークショップ「Soundscape Mixtape(サウンドスケープ・ミックステープ)」を実施しました。身の回りの音をiPadで録音し、自分だけの曲にしていく様子をお届けします。

正解のない問いからはじめる、ということ

人と音色が届けているワークショップには、共通する出発点があります。それは「正解のない問い」から始めること。

音楽も、アートも、本来は正解のない世界です。正解がないから、一人ひとりの感じ方の「ちがい」がそのまま作品の個性になる。誰かと比べて上手・下手を決めるのではなく、「その音、おもしろいね」と互いのちがいを楽しめる。それが、障がいの有無や年齢、ジャンルを越えて多様な人が混ざりあう「ひときわ音楽祭」や、発達に特性のある子どもたちの音楽教室を続けてきた私たちが、いちばん大切にしていることです。

Soundscape Mixtapeは、その考え方をいちばんシンプルな形にしたプログラムです。

ワークショップの流れ

1. 耳と身体の準備運動

最初はさまざまな楽器を並べて、みんなで鳴らしてみるところから。「これは高い音?低い音?」と耳をすませながら、音を“聴く”モードに切り替えていきます。

2. 音をさがしに出かける

一人1台のiPadを持って、館内や隣のうめきた公園へ。問いはひとつ、「いいなと思う音を見つけて録音しよう」。

ネットに触れたときのカサカサという音、何かを叩く音、自分の足音、風や木々の自然の音。意識して耳を向けるだけで、ふだん聞き流している音がどんどん聞こえてきます。さらに音楽的な素材として、ピアノの和音や楽器の音も録音しました。

同じ場所を歩いても、拾ってくる音は一人ひとりまったく違います。ここでもう、「ちがい」が生まれています。

3. 中心になる音を決めて、曲をイメージする

集めた音のなかから「この曲の主役」になる音を一つ選び、どんな曲にしたいかイメージをふくらませます。正解がないからこそ、選ぶ理由も自分のもの。

4. 音を組み合わせて、オリジナル曲に

録音・編集アプリ【要確認:アプリ名】を使って、音を切り取ったり、くり返したり、重ねたり。ハーモニーやリズムの考え方を講師から少しずつ受け取りながら、ただの「物音」が「音楽」に変わっていきます。

自分の考えをみんなに共有し、プロからフィードバックをもらうと、「もっとこうしたい」が次々に出てくる。気づけば一人ひとりが、自分の作品ととことん向き合っていました。

5. みんなで聴き合う

最後は発表。流れてくる曲に合わせて声が出たり、自然と身体が動いたり。どの曲も違って、どの曲も楽しい。そんな時間になりました。

「この子のもいいし、自分のもいい」

正解がないと、子どもは最初こそ戸惑います。けれど「どれも正解」だとわかった瞬間から、表現はぐっと自由になる。そして、他の子の作品を聴いたときに生まれるのは比較ではなく、「あの子のもいいし、自分のもいい」という感覚です。ちがいが“おもしろさ”として体感される——このワークショップでいちばん届けたかったのは、そこでした。

PLAY CUBEのプレイリーダーのみなさんが「こうさせなきゃ」にとらわれず、輪に入りにくい子のやりたいことにも柔軟に寄り添ってくださったことも、場の空気を大きく支えてくれました。大人が心地よくいられる場は、子どもにもちゃんと伝わるのだと改めて感じています。

PLAY CUBE側でも、このプログラムを生活の音から日々が楽しくなる活動として、また子どもたちが自分と向き合い自立して取り組む時間として受け止めてくださいました。当日の様子はボーネルンド PLAY CUBEのnoteでもレポートいただいています。

https://note.com/playcube_0906/n/n5fe655af1551

正解のない問いからはじめるワークショップ、ほかにも

人と音色では、Soundscape Mixtapeのほかにも「正解のない問い」を出発点にしたプログラムを届けています。

情景楽器ワークショップ

使う場面や一緒に過ごす人の気持ちを想像しながら、その場面にぴったりの「楽器」をデザインする(PLAY CUBEでは7月31日に実施)

味覚音楽

音楽を感じて、それを料理に変換する。感じ方も出てくる料理も人それぞれ、だからこそ「それぞれの正解」が並ぶ体験

学校・施設・商業施設・自治体・企業など、場所や参加者に合わせて内容を設計します。ちがいを楽しむ場をつくりたい方は、お気軽にご相談ください。

開催概要

  • プログラム名:作曲ワークショップ「Soundscape Mixtape」
  • 開催日:2025年8月1日(金)
  • 会場:BørneLund PLAY CUBE(大阪市北区 グラングリーン大阪 うめきた公園内)
  • 主催:株式会社ボーネルンド(PLAY CUBE サマースクール「プロとの出会いプログラム」)
  • 企画・運営:株式会社人と音色 ツナガリMusic Lab.
  • 対象:小学生(低学年〜高学年)

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